出会い

なんで、そんな男と結婚したの??

結婚前にわからなかったの??

 

と、みんな言う。

 

自分でも、なぜわからなかったんだろう?と振り返ることを何度もした。

 

簡単に言うと、「私が子供だった」から。

 

文字通り、夫と出会った時、私は子供だった。

 

田舎の、中高一貫の私立女子校に通っていた私。

中2、13歳の夏休み明け。

産休に入った音楽の先生の代わりに来た若くてカッコイイ男の先生♡それが、いまの私の夫。

 

講堂の舞台上で照明を浴びて、背が高くて細身、ちょっと長い前髪の下の切れ長の目。色白の細長い顔。

 

バーコード頭のおじいちゃん先生、でっぷりとしたおばちゃん先生、口うるさい七三分けのおじさん先生の中に、ひとりだけ、生活感のない芸術家が、輝いていた。

 

まるで、あの、のだめカンタービレの千秋センパイの様に、白い長袖シャツにスリムな黒いパンツが!!素敵に見えた。少なくとも中高生の私たちには!!!ときめいて、眩しくて、何も見えてなんかいなかった。。。

 

千秋センパイにちなんでウチの夫をシンイチ(仮名)にしておこう。

 

シンイチ先生は、その日のうちに、女子中高生の憧れの君となり、音楽の授業がシンイチ先生の担当になるかならないか、そればかりが話題になった。

 

ちなみに、シンイチの顔は玉木宏さんには似ても似つかない。全然。

でも、その頃は、なぜかカッコよく見えていた。私だけでなく、みんな。(笑)